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n8n入門ガイド:初心者向けローコード自動化ツールの使い方

概要

この記事では、近年注目を集めるローコード自動化ツール「n8n(エヌ・エイト・エヌ)」について、初心者の方にも分かりやすく解説します。n8nがどのようなツールで、他の類似ツール(ZapierやMake.comなど)とどう違うのか、基本的な使い方から価格体系、代替ツールまでを網羅的にご紹介します。この記事を読めば、n8nの基本を理解し、業務効率化への第一歩を踏み出すことができるでしょう。

[n8nのフロー画像]

目次

  1. 1. n8nとは? – 新世代の自動化ツール
  2. 2. n8nの主な特徴
  3. 3. n8nの始め方 – 基本操作の概要
  4. 4. n8nの価格プラン
  5. 5. n8nの代替となるツール
  6. 6. まとめ – n8nはどんな人におすすめ?

1. n8nとは? – 新世代の自動化ツール

n8n(エヌ・エイト・エヌと読みます)は、様々なWebサービスやアプリケーションを連携させ、定型的な作業を自動化するためのツールです。Zapier(ザピアー)やMake.com(旧Integromat)、Microsoft Power Automateといった他の自動化ツール(iPaaSと呼ばれることもあります)と似ていますが、n8nは特に開発者寄りの機能を持ちつつ、ローコード(少ないコード記述)で利用できる点が特徴です。

他のツールが上から下へ流れるような直線的なワークフロー表示が多いのに対し、n8nは「ノード」と呼ばれる機能ブロックを自由につなぎ合わせて、視覚的にも自由度の高い、複雑なワークフローを構築できます。

[n8nのフロー画像]

2. n8nの主な特徴

2.1. ノードベースの柔軟なインターフェース

n8nの最大の特徴は、ノードベースのビジュアルインターフェースです。各機能(トリガー、アクション、データ処理など)が「ノード」として提供され、これらを線で繋いでワークフローを構築します。これにより、処理の流れを直感的に理解しやすく、また、分岐や並列処理など、複雑なロジックも視覚的に組み立てることが可能です。配置も自由度が高く、自分が見やすいように整理できます。

2.2. 高度で複雑なワークフロー構築が可能

単純な「Aが起きたらBを実行する」だけでなく、複数のステップを組み合わせたり、途中でデータを加工・整形したり、条件によって処理を分岐させたりといった、高度な自動化を実現できます。例えば、「データベースに新しい情報が追加されたら、その情報を整形し、一部をチャットツールに通知し、別の情報をメールで送信し、さらに別のシステムに登録する」といった多段階のフローも構築可能です。

2.3. 豊富な連携先(API接続)

Notion、Google Workspace、Slack、Twitter、GitHub、各種データベース、会計ソフトなど、非常に多くのサービスと連携できます。ただし、連携設定時には、サービスのAPIキーを取得したり、認証情報を設定したりする必要がある場合があります。この点はZapierなどと比較すると少し手間がかかる部分ですが、その分、より詳細な設定や制御が可能です。丁寧なドキュメントが用意されているため、手順に沿って進めれば設定できます。

注意点: API連携の設定は、一部開発者向けの知識(APIキーとは何か、JSON形式のデータ構造など)があるとスムーズですが、ドキュメントが充実しているので、初心者でも手順を追えば可能です。

2.4. クラウド版と無料のデスクトップ版

n8nには、Webブラウザから利用できる有料の「クラウド版」と、自分のPCにインストールして無料で利用できる「デスクトップ版」があります。デスクトップ版でもクラウド版とほぼ同等の機能が利用できるため、「まずは無料で試してみたい」「高度な自動化をコストをかけずに実現したい」という場合に非常に魅力的です。

3. n8nの始め方 – 基本操作の概要

n8nを始めるには、まずクラウド版のアカウントを登録するか、デスクトップ版をダウンロード・インストールします。

  1. ワークフローの作成: 新しいワークフローを作成し、キャンバス(グリッド状の作業エリア)を開きます。
  2. トリガーノードの追加: 「+」ボタンをクリックし、ワークフローの起点となる「トリガー」(例: 定期実行、Webhook、特定サービスのイベント)を選択します。
  3. 認証情報の設定: 必要に応じて、連携したいサービスのAPIキーなどを設定(Credential作成)します。n8n内のドキュメントへのリンクから設定方法を確認できます。
  4. アクションノードの追加: トリガーに続けて実行したい処理(例: データ取得、データ書き込み、通知送信)のノードを追加し、トリガーノードと線で繋ぎます。
  5. データマッピング: 前のノードからの出力データを、次のノードの入力フィールドにドラッグ&ドロップなどで設定します。
  6. テスト実行: 各ノードやワークフロー全体をテスト実行し、意図通りに動作するか確認します。
  7. 有効化 (Activate): ワークフローが完成したら、有効化して自動実行を開始します。

最初は少し戸惑うかもしれませんが、テンプレートを利用したり、ドキュメントを参照したりしながら試していくことで、徐々に慣れていくことができます。

4. n8nの価格プラン

n8nの価格体系は比較的シンプルです。

  • n8n Cloud: 月額課金制(例: $20/月から)のクラウドサービスです。サーバー管理の手間がなく、すぐに利用を開始できます。無料トライアル期間もありますが、基本的には有料プランとなります。チームでの利用や、常に安定稼働させたい場合に適しています。
  • n8n Desktop (Self-hosted): 完全に無料で利用できます。自分のPC(Windows, Mac, Linux)にインストールして使用します。機能的な制限はほとんどありませんが、PCが起動している間のみワークフローが動作します。個人での利用や学習、コストを抑えたい場合に最適です。

無料で高機能なデスクトップ版が提供されている点は、n8nの大きな魅力の一つです。

5. n8nの代替となるツール

n8nは非常に強力ですが、API設定などに慣れていない場合は、他のツールから始めるのも良いでしょう。

  • Make.com (旧 Integromat): n8nと同様にビジュアルなインターフェースが特徴ですが、API設定などがより簡単に行えることが多いです。無料プランでは作成できるシナリオ(ワークフロー)数に制限があります。
  • Zapier: 最も有名な自動化ツールの一つ。連携サービスの数が非常に多く、設定も比較的簡単です。「Zap」と呼ばれるワークフローを作成します。無料プランでは単一ステップのZapしか作れないなど、多機能な自動化には有料プランが必要になることが多いですが、始めやすさは抜群です。
  • Microsoft Power Automate: Microsoft 365(旧 Office 365)ユーザーであれば、特に親和性が高いツールです。Outlook、Teams、SharePoint、OneDriveなどとの連携が得意で、業務利用に適しています。

これらのツールは、それぞれ特徴や得意分野、価格体系が異なるため、自分の目的やスキルレベルに合わせて選ぶことが重要です。

6. まとめ – n8nはどんな人におすすめ?

n8nは、以下のような方におすすめの自動化ツールです。

  • 無料で高機能な自動化ツールを試したい方(デスクトップ版)
  • 複雑な分岐や多段階のワークフローを構築したい方
  • API連携など、少し技術的な設定に挑戦する意欲のある方
  • ZapierやMake.comの機能や価格に満足できない方

少し学習コストは必要かもしれませんが、使いこなせれば非常に強力な味方となるツールです。まずは無料のデスクトップ版から試してみてはいかがでしょうか。

[n8nのフロー画像]


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