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【2025年版】初心者向けN8N完全ガイド:AIエージェント構築入門


概要

AI技術が急速に進化する現代、業務の自動化や効率化は不可欠です。この記事では、ノーコード/ローコードツール「N8N」を使って、AIを活用した「AIエージェント」をゼロから構築する方法を初心者にも分かりやすく解説します。基本的な概念から実践的な構築ステップまで、順を追って学び、未来の働き方を体験しましょう。

目次

1. AIエージェントシステムとは?

AIエージェントシステムとは、特定のタスクを実行するために設計されたAI(エージェント)と、それらが動作する自動化の仕組み(ワークフロー)を組み合わせた環境のことです。自律的に判断し、ツールを使って問題を解決する能力を持ちます。

1.1. ワークフローとエージェントの違い

ワークフローは、あらかじめ決められた手順に従って処理が進む自動化です。例えば、「商品購入後に注文詳細メールを送る」のような、出力がある程度予測可能な処理です。


一方、エージェントは、大規模言語モデル(LLM)が状況に応じて動的に判断し、利用可能なツールを選択してタスクを実行します。例えば、カスタマーサポートエージェントが、問い合わせ内容に応じて「チケット作成」「注文履歴確認」「返金処理」といったツールを使い分けるようなイメージです。決まった道筋はなく、エージェント自身が最適な行動を選びます。

2. N8N入門:最初のステップ

N8Nは、ブラウザ上で直感的に自動化ワークフローやAIエージェントを構築できるツールです。まずは基本的な画面構成と操作を覚えましょう。

2.1. N8Nワークスペースの基本


N8Nにログインすると、ダッシュボード画面が表示されます。ここには作成したワークフロー、連携サービスの認証情報(Credentials)、実行履歴(Executions)などが表示されます。左側のパネルでは、ワークフローをプロジェクトごとに整理できます。

2.2. ワークフローの作成方法

新しいワークフローを作成するには、画面右上の「Create Workflow」ボタンをクリックします。特定のプロジェクト内で作成したい場合は、プロジェクトを選択してからボタンをクリックしましょう。すると、ワークフローを編集するためのエディタ画面(キャンバス)が開きます。

3. N8Nの心臓部:ノードの種類を理解する

N8Nでは、ワークフローやエージェントの各機能を「ノード」と呼ばれるブロックを繋ぎ合わせて構築します。ノードは大きく5つのカテゴリに分類できます。


  • 3.1. トリガーノード (Triggers):

    自動化を開始するきっかけとなるノード。「いつ」「どこで」「どのように」ワークフローが始まるかを定義します。(例:チャットメッセージ受信時、スケジュール実行、特定アプリでのイベント発生時)

  • 3.2. アクションノード (Actions):

    特定のアプリやサービスで何かを実行するノード。(例:Google Sheetsへの書き込み、Gmail送信、Slack通知)

  • 3.3. ユーティリティノード (Utilities):

    データの変換、条件分岐(IF)、フィルタリング、データ保存など、N8N固有の補助的な機能を提供するノード。

  • 3.4. コードノード (Code):

    JavaScriptコードの実行、HTTPリクエスト送信、Webhook設定など、より高度なカスタマイズを可能にするノード。

  • 3.5. AIエージェントノード (Advanced AI):

    AIエージェントの中核となるノード。LLMとの連携、ツール利用、メモリ管理、検索機能などを担い、システムに自律性を与えます。

4. 実践!AIエージェント構築ステップ

それでは、実際に簡単なAIエージェントを構築してみましょう。ここでは、ユーザーとチャットで対話し、家庭の在庫(例:食料品)を管理するエージェントを作成します。

4.1. トリガーの設定(チャット入力)

最初に、ワークフローを開始するトリガーを設定します。ここでは「On a Chat Message」トリガーを選択します。これにより、N8Nが提供するチャットインターフェースからのメッセージをきっかけにエージェントが起動します。ノードを追加し、必要に応じて公開設定などを調整します。

4.2. AIエージェントノードの追加(頭脳)


次に、エージェントの中核となる「AI Agent」ノード(Advanced AIカテゴリ内)を追加します。このノードがユーザーからの入力を受け取り、思考し、ツール利用などを判断します。

4.3. LLM(大規模言語モデル)の接続

AIエージェントには「脳」が必要です。AI Agentノードに「Chat Model」を追加し、使用するLLM(例:OpenAIのGPT-4o、AnthropicのClaudeなど)を選択します。初めて接続する場合は、各サービスのAPIキーなどを「Credentials」として登録する必要があります。

注意: APIキーは機密情報です。安全に管理してください。OpenAIなどのサービスでは、少量(例:$5程度)のクレジットをチャージすれば、テスト目的では十分な場合が多いです。

4.4. メモリの追加(会話履歴の保持)

エージェントが過去の会話内容を覚えて、文脈に沿った応答をするためには「メモリ」が必要です。AI Agentノードの「Memory」セクションで「Window Buffer Memory」を追加します。これにより、直近の指定された数の会話履歴をエージェントが記憶できるようになります。

4.5. ツールの追加①(情報検索 – AirTable)

エージェントに特定の能力を与えるために「ツール」を追加します。ここでは、在庫リストが保存されているAirTable(高機能なスプレッドシート/データベースサービス)を検索するツールを追加します。

  1. AI Agentノードの「Tool」セクションで「+」をクリックし、「AirTable」ノードを選択します。
  2. AirTableの認証情報(Credentials)を設定します(APIトークンなど)。
  3. 「Tool Description」に、このツールが何をするものか(例:「家庭の在庫リストをAirTableで検索する」)を分かりやすく記述します。これがエージェントがツールをいつ使うべきか判断するヒントになります。
  4. Operationを「Search Records」に設定し、対象のベース(データベース)とテーブル(表)を指定します。
  5. これで、エージェントは「在庫について教えて」といった質問に対し、AirTableを検索して回答できるようになります。

4.6. ツールの追加②(情報更新 – AirTable)

次に、在庫リストの情報を更新するツールを追加します。「Tool」セクションから再度「AirTable」ノードを追加します。

  1. Tool Descriptionを「在庫アイテムの数量などをAirTableで更新する」のように設定します。
  2. Operationを「Update Records」に設定し、対象のベースとテーブルを指定します。
  3. 更新するフィールド(例:数量)を設定します。ここで重要なのは、更新するレコードのIDや新しい数量をどう指定するかです。N8Nの強力な機能Expression from AIを使います。
  4. 更新したいフィールド(例:Record ID, Quantity)の入力欄で「Expression from AI」を選択します。AIに対して、「チャットの内容から更新対象のアイテムIDを見つけて」「新しい数量を抽出して」といった指示を、キー(名前)、説明、型(数値、テキストなど)を指定する形で与えます。


これにより、「歯磨き粉を2つ買ったので在庫を更新して」のような指示で、エージェントが自動的にAirTableの該当レコードを探し出し、数量を更新できるようになります。

5. より高度な活用へ:エージェントの連携

N8Nの真価は、複数のワークフローやエージェントを連携させられる点にあります。今回作成した「在庫管理エージェント」自体を、別の、より大きなエージェント(例:総合的なパーソナルアシスタント)の「ツール」として呼び出すことができます。

具体的には、在庫管理ワークフローのトリガーを「When called by another workflow」に設定し、別のワークフローのAI Agentノードから「Call n8n Workflow」ツールを使って呼び出すのです。これにより、タスクに応じて専門のエージェント(ワークフロー)を呼び出す、より洗練された「エージェントシステム」を構築できます。

6. 自動化スキルのその先へ:不動産テックの可能性

今回学んだN8NによるAIエージェント構築スキルは、特定の業務だけでなく、様々な分野で応用可能です。例えば、不動産業界も例外ではありません。


顧客からの問い合わせ対応の自動化、希望条件に合った物件の自動提案、内見スケジュールの調整、市場データの分析レポート作成など、AIエージェントや自動化ワークフローが活躍できる場面は数多く存在します。このような「不動産テック」の活用は、顧客体験の向上はもちろん、業務効率を劇的に改善する可能性を秘めています。

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